沙「そこからは私が話すよ」


五人の体が震えた。

気配にまったく気がつかなかった…


翔「でも…」

沙「私が言いたいんだ。兄貴も聞いてくれるか?」


翔「ああ…」


明らかにしょーさんは動揺していた。


でもそれはここにいるみんながそうだった。



沙「私は物心ついたとから水城組にいた。みんな普通に接してくれて、普通の家族だった。」


そう母親を除いては…


沙「でも母親は違った。接し方が他人そのものだった。でも私はここが自分の家族だと普通に思ってた。」


楓「思ってた。ってなんで気がついたの?」


そうあれは三歳のクリスマスだった。


沙「クリスマスプレゼントだよ。」


奏「クリスマスプレゼント?」


沙「うん。それまでは何も気にしてなかったクリスマス。でもさぁ。ある時友達に聞かれたの。『沙羅ちゃんはプレゼントなにもらったの?』って」