着いた場所、そこは学校のような施設だった。

 【施設、太陽の花】

太陽の花って、ひまわり?

もしかしてあのひとはココで働いているの?


そう、あれこれ考えていると

 「どーぞ、」

と親切に中に入れてくれた。


 「で、あなたはどうしてあんなところに居たの?」

まだ答えずにいたあたしに、

 「あ、そうだ。名前は? あたしは榛原 有希(はいばら あき)よろしくね」

そう微笑んで言った。

初対面の人に言ってもいいのだろうか。

でも、悪い人ではなさそうだから言うことにした。

そしてたまたまカバンに入っていたメモ帳とペンに

 【鈴原 美音】(すずはら みおん)

そう書いた。

 「…綺麗な名前なのね。あ、そうだ。
言いにくかったらこの紙とペンに書いたらどう?」


あたしの様子をうかがうように言う有希さん。

そして仕方なく紙に書くことにした。