サツジン級なカレは




ため息をついてしまった。
それに彼は少し微笑んで、靴を脱いだ。


「なんで靴脱いでるの、優」

「おばさんが今日はご飯食べていってといってくれたから。
買い物中か?上がらせて」


いつもそうだから、これと言った違和感はないんだけどね。




あたしと優は俗にいう幼なじみ。


家は隣だし、親同士は仲いい。
キョウダイみたいに育ってきたといってもいいくらい。


あたしは昔から子役をやっていた。芸名を使っていたけど……。


でも、優が俳優をはじめたのはたしか高校卒業してから。


今20歳だから、まだ2年くらい。
それにスカウトだって聞いた。



「まぁいいや。上がりなよ。
あたし着替えてくる」



2階に行こうとしたら、
ニヤニヤしながら


「俺も行こうか」

「目の前でこのあたしのカラダみたいの?いやーん、あたしに目を付けるなんてお目が高い」

「見ていいの?隅々まで見ちゃうよ」

「高いわよー」

「高くても、莉真のすべてが見られるならばいいよ」

「アホ」


そう言い捨て、ひとり階段を上って部屋に入る。



なんか、さっきの会話に恥じらいがないぞ、あたしたち。
“馬鹿、変態!”って言ってない。


言う人は言うのに……。
こんな感じで成り立ってきたんだ。