あっ



昨日のあの人でした。



昨日と同じ制服を着て、

昨日と同じ肩掛けかばんを垂らし、

颯爽と走り去っていくところでした。



私はその姿を見て、


思わず彼の前に飛び出ていきそうになりました。


でも、
出て行ってどうする?


昨日は雨に打たれて可哀相に見えたかもしれないけど、


今は
「ただの汚く醜いもの」―



そんなためらいがあって、

私は地に足をつけたまま動くことができませんでした。