翌朝、

雨はさっぱりあがり、

私の体もすっきり乾きました。


藤棚の葉っぱたちも

気持ち良さそうに色とりどりの緑を発しています。



しばらくここで寝泊りしよう。



そう決めて、

公園内を探索しようとした時のことです。



ざっざっ



砂を蹴るような足音がしたので、

急いで物陰に隠れました。


これは私の習性です。


今まで目を合わせてきた人たちからは良い扱いを受けたことがありません。


非道い人になると、
蹴ろうとする人や石を投げる人がいました。


だから、
とっさに見えないところに引っ込みました。


冬ですから、

木々は服を着ていません。


寒そうに佇む一番大きな木の陰で、

なるべく小さくなって息を潜め、

音が通り過ぎるのを待ちました。



どんな人だろう



昨日の出来事があったからか、

少しだけ人に興味を持ち、

おそるおそる

走っていくその人の顔をうかがいました。