私は、

物心ついた時から我が家というものがありません。


公園などを転々として寝泊まりし、

野宿を繰り返しています。


親も、いません。


だから、

実際には、

さみしいことは当たり前でした。



そんな自分が、

この日初めてまともに人とふれあいました。


今までの人たちは、

私を遠巻きに見ているだけでした。


小汚いとか、

卑しいとか、

そういう目です。


けれど、

あの人は違いました。


優しい目をした人でした。


ただただ、

嬉しかったのです。


他と同じように見てくれていることが、

嬉しかったのです。