「あの・・・・・」
初めて“あいつ”に話しかけられたのは、今でも夢だったんじゃないか思う時がある。
『本当にコイツ、人間か?』って思うくらいだった。
別に、嫌な意味じゃなくて。
白いワンピースに身をまとって、クラスの女子みたいに不自然に茶色く染めていない、自然のままの栗毛色の髪の毛。
桜が舞い散るたび、その髪はさらさらと揺れた。

――――その容赦はまるで、天使のようだった――