「行きなさい」 「え?」 「せっかく見つけた夢でしょう? 沙弥が帰ってくる前に真司さんと話し合ったのよ。 そりゃあ一人娘を外国に送るんですもの。 不安で仕方ないわ。 でも今まで夢を持たずに生きてきた沙弥にとって、初めて掴んだ夢だもの。 親として叶えてあげなきゃね」 母さん…。 「ありがとう…」 そう言って私たちは泣きながら抱き合った。