美女か野獣か



高良は、フンッと鼻で笑った。

「テメェが俺に勝てると思ってんのかよ?」


「高良よぉ?さすがのテメェも1対6で勝てると思ってんのか?しかもそんなボロボロでよぉ。それとも後ろの女に加勢でもしてもらうのか?これじゃぁ「Beast」の野獣の名が泣くな?」


そう言って獅童は、何がおかしいのかゲラゲラ笑い始めた。


その時、いきなり誰かの携帯が鳴った。


すると獅童が舌打ちをしながら携帯を取り出し電話に出た。


「俺だ…」


「あぁ…くそッ…わかったよ」

獅童は、それだけ言うと電話を切り高良を睨みつけた。


「高良命拾いしたな?テメェら戻るぞ!!!」


獅童は、そう言って路地裏から出て行った。


何がどうなったのかまったく意味不明な私は、とりあえず一安心した。