美女か野獣か



私が無言で彼を見つめているといきなり目の前の彼は、ぐらりと崩れ落ちた…


私は、とっさに彼に近づいた。

「あ…あの、大丈夫ですか?」

彼は、軽くうめき声をあげたが目は、瞑ったままで動かない。

彼の顔を間近で見るとやっぱり美形で少し見とれてしまう。


でもよく見るとまぶたが少し切れ血が出ていたり、彼の着ている、多分学生服には所々黒っぽいシミが着いていた。


私は、カバンからハンカチを取り出して彼のまぶたの血を軽く拭いた。


すると、痛かったのか彼がゆっくり目を開いた。


私がとっさに「大丈夫ですか?」と訪ねると彼は、さっきのギラギラした瞳で私を見上げ「誰だテメェ?」とかすれた声で言った。


彼は、フラフラと立ち上がると壁に手をついて歩き出そうとした。