美女か野獣か



教室から出るとその男子生徒は、うつむき加減に立っていてせっかくの長身なのに少し猫背になっていた。


「先輩?何かご用ですか?」


私は、見知らぬ男子生徒に話しかけた。


すると男子生徒は「ちょっと付き合ってもらえるかな?」と言って私の手を引き隣りにある空き教室のドアを開け中に入ってしまった。


いきなりの事でなんの抵抗もできないまま私も男子生徒と一緒に空き教室に入ってしまった。

男子生徒は、ドアに鍵を掛けると私から手を放しくすくす笑い始めた。


な…何?


「あ…ゴメンネ?清葉ちゃん」

私は、その声に聞き覚えがあった。


「えっ?」


私が動揺していると目の前の男子生徒は、メガネを外し猫背をやめ黒髪をガシガシと無造作にセットした。