可憐は、なんだかんだ言ってすごく優しい…
私は、いつもそんな可憐に甘えてばかりだ…
「可憐だってお見合い行くんでしょ?」
「行くけど…私は、毎回断るもん。馬鹿オヤジは、いろいろうるさいけど母さんは、私の自由にしていいって言ってくれてるし…馬鹿オヤジも母さんには、勝てないみたいだからね?」
「そっかぁ…」
そうつぶやいた私を可憐は、心配そうに見ていて…
でも今の私には、何も言えなかった。
そんな時タイミング良くクラスの子が声をかけてきた。
「円城寺さん?2年生の先輩が呼んでるわよ?」
そう言われて教室のドアを見ると黒髪にメガネで地味っぽい男子生徒が立っていた。
私は、教えてくれた子にお礼を言ってから可憐に「ちょっと行ってくるね」と言って席を立った。
