その音に釣られ、私は上を向いた


するとそこには、木にロープで作った輪っかをぶら下げ、それに首を吊ろうとしている男がいた



私はあまりに突然だったので、思わず声を上げてしまった

「えっ!?」




私の声に気づいたのか、男は私の方を見た



男と目が合った私は言った
「ちょっと、何やってるんですか!?」




男は微かに聞こえるくらいの大きさの声で、ボソッと言った
「み、見たらわかるでしょ?」

しかしその声は、どこか怯えている様に聞こえた



そう言うと男は、再び紐の輪っかに首を通そうとした




私は慌てて言った
「いや、そういうの止めといた方がいいと思いますよ?」



男が言った
「あ、貴方に僕の何がわかるんですか?」




私はその言葉に、何も言い返せなかった