夏休みの間、わたしは天気が良いときは、よく公園へスケッチに出かけた。


そしてベンチに座って、スケッチをしていると、なぜか晃司くんとよく会った。



晃司くんは何時間でも、わたしのとなりに座って、スケッチを眺めていた。



わたしは単なる偶然だと思っていたけれど、偶然にしては会う回数が多すぎることは、考えてみればすぐに分かることだった。


けれどもわたしは考えてみたこともなかった。



晃司くんがわたしに会いたくて、公園に足を運んでいたことを。