「あぁ、こんにちは。」

 わたしは挨拶した。



「望月さんって、ほんとに絵が好きだね。何度か話しかけたけど、気が付いてないみたいだったから・・・。」



「あっ、ごめんなさい・・・。」



「ううん、あやまらなくていいよ。没頭できることがあるって、超素敵なことだと思うから。」

そう言うと、晃司くんはにっこりした。

「あのさ・・・、となりに座って、絵を描いてるとこ、見ててもいい・・・?」



「うん、別に構わないけど・・・。」

わたしは答えた。



晃司くんはわたしのとなりに腰掛けた。


わたしは再び、絵の世界に戻った。


晃司くんはとなりで、わたしのスケッチを眺めていた。