さて仕事だと立ち上がった時、テーブルに置いていた携帯電話が振動する

反応する二人。鳴っていたのは白い方、俺のだった


受信相手はいつも行く古本屋のメルマガ。中身を読みながら橋本くんを盗み見る


すぐさま開いた携帯電話を閉じて何事もなかったかのように戻した。でも、コアラのストラップが揺れてる。誰からの連絡と勘違いしたか、その反応で聞かなくてもわかってる


そう、好き、なんだよね……


「橋本くん」

「っ、はい…?」

今の動作について触れられると思ったのか様子を窺われる

少しだけ今までとは印象が違った一面を知る。どっちが本当の彼なんだろう。何となしに聞いてみた

「彼女のこと、好き?」

「え、」

どうしていきなり、こんなことを先輩に直球で聞かれるのか。戸惑いながらも決したように、でも目は伏し目がちに言った



「もちろん…です」


それが彼の答えだ


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