掲示板のすみっこで



『まぁ、そんなに知りたいなら語ってあげよう』


話したがっていた内容がつらつらと語られて、ただひたすら読んでいく

手慣れた二人は時々相槌を打つけど、自分は何を言ったらいいかわからなくて無言のまま

それに気づいてくれたのはルナだった



『けん?ずっと黙ってるけど、大丈夫?』

『わりぃ。けんはこういう下ネタは苦手だったかな』

『ほんと?何かうちら全然空気読めない感じでごめんね』


黒翼とキララも続く。申し訳なさそうにされて、こっちも申し訳なくなる


『そんなことないです。俺に気にせず続けてください』

新参者がいつもの空気を壊すなんて有り得ない。こっそりひっそり、乱さず崩さず居なければ、そう思っていたのに


『じゃあさ、私と話ししようよ。私も下ネタ得意じゃないからさ』

それはルナからの突然の提案。『いいんですか』と書くと『もちろん』と返ってきた。その代わり


『でも、さっきから言ってるように敬語はなしね。堅苦しいから』


それが条件みたいだ

相手が顔見知りでも相当慣れないと敬語は抜け切れない。初対面なら尚更。顔を合わせないのが吉と出るか凶と出るか



『わかった』


この時、初めてのタメ口だった


『じゃあ、一つ話を聞いてもらっていいかな』


タメ口になることで緊張が和らぎ、話しやすくなる。そして何よりも、今このサイトでこの掲示板に来た目的を思い出した



誰かに”あの話”を聞いてもらいたい。その思いを


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