「隣り、よろしくね」


4月始めはまだ新しいクラスに慣れてなかった周りも、一年二年の交遊関係の延長でどんどんと打ち解けていく


俺はもう何回も経験しているから乗り遅れなんて気にしないで机に突っ伏していた

ある5月の連休明け、担任の先生の提案する席替えがあるまで、出来る限りその場を離れない


ついにやって来た馴染んできた座席からの移動。日陰の廊下側から日なたの窓際へ


ちょうど日光の降り注ぐ位置に収まると、横から声を掛けられた



ポニーテールの女子、それが浅川


愛想の良い笑顔に、会話慣れしてない俺は無愛想に頭を下げた


ろくに目も合わせないで、机から教科書を出し、興味もないのにパラパラと捲る



はっきり言って俺の印象は最悪だったと思う


もうバイトを始めていたのに、今思い出してもその時の態度はひどかった


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