誰かに言いたい、誰かと分かち合いたい
生憎、今居るのは他に人のいない、一人きりのバックルーム
重苦しくも面倒でもない感情だけど、抱えたままというのは勿体ない
その思いが通じたのか
「あっ、」
コンビニから出て、すぐの歩道に
橋本くんを見つけた
このシチュエーションは前にもあった。橋本くんが携帯電話を忘れてきた日
そして、彼女がいると知ったあの日
「橋本くん?」
時間帯か、少なくない人々が行き交う歩道で立ち尽くす橋本くんは少し浮いてる。邪魔そうに避けてられているのに臆さない
「どうしたの?忘れ物?」
「桑井さん…」
橋本くんは額に汗を滲ませ、ポケットにしまった手ごと体も小刻みに揺れてる
走ってきたのか呼吸も荒く、今にも泣きそうな顔をしていた
「橋本、くん…?」
「…桑井、さん……ちょっと、付き合ってもらえないですか?」
弱々しい声に思わず頷いた
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