最低な恋人




「あとさ、昨日は昼一緒に食べれなくてごめん。


さすがに合わせる顔なくって、ははっ。」



語尾は誤魔化すかのように笑いにかき消されてたけど。



そんなことより、この後の展開を予想して冷や汗が出てきた。



「今日は一緒に食べよ。」



あーどうしよう…




「えーと、今日は、その、あの、約束があるっていうか、なんていうか。



だ、だから申し訳ないんだけど、その今日は食べれなくって。」



馬鹿か、私。


どもり過ぎてて怪しいわ。


「誰と約束してんの?


礼奈ちゃん?」



「ち、違くて、えっと。」



「じゃあ違う女友達?」


だんだんと少なくなっていく選択肢に焦りつつ、


「と、友達、だよ。」


苦し紛れに返す。



「昨日約束して、断れなくて…」



これは、本当のことだ。


「じゃあ明日は一緒に食べような。」



そう笑いかける裕司に感じるのは、


またいつもの罪悪感と同情の醜い塊。