「おいおいおい。【完】ってなんだよ、【完)って。」
机に項垂れている私に、さっきから煩いくらいに質問攻めしてくる、親友(たぶん)。東条渚(トウジョウナギサ)。
「ふふふ。相沢さんの恋は儚く散りましたよ。そう、あの桜の花びらの如く…。」
「あれ、桜じゃなくて梅だけどね。」
「一緒よ。桜も梅も…私も、ね。」
「いやぁぁぁ。誰か、だれか!この陰気くさい奴、どうにかしてよ!」
ちょっと、この人狂気しだしましたよ。ふざけんな。叫びたいのはこっちだ、バッキャロウ!
「相沢君、東条君。どうかしたのかい?」
妙に特徴のある喋り方の、坂田隆(サカタタカシ)。眼鏡にいつかの時代のブームだった角刈りボーイ。自称、イケメン。……鏡を見れ、鏡を。
「死んで、坂田。」
「同じく。」
「なんか扱いひどくね?」
痛いナルシストには冷たい、私と渚。
