愛銃をバラバラにしたままなのに、そんな事もそっちのけ。

慌てて電話を取ったのだろうか、密かに息も上がっている。

だけどそれを悟らせないように、彼女は乱した呼吸を殺して話をする。

「ああ、夕涼み会の時のね…別にそんなに急がなくていいのに。時間が空いたらでいいのよ?私はどうしても一緒に出掛けたい訳じゃないからさぁ…」

携帯片手に、そんな事を言う彼女。

だけど素直じゃないみたい。

言葉とは裏腹に、携帯を持たないもう片方の手はベッドのシーツを人差し指でせわしなくなぞっている。

表情はどことなく薄紅色。

自分では気づいていないのかな?

耳まで真っ赤だよ?