あの眼鏡男子が電話しているのは、もしかしてあの子かな?

快は女子寮の方へと移動してみる。

男子寮から少し離れた場所に位置する、別棟の女子寮。

その一室。

「ああ、何?急に電話なんかして。ううん、別に退屈してたし」

蒼い髪のロシア人留学生が、携帯電話片手に話をしていた。

彼女が腰掛けているベッドの上には、愛用のドラグノフ狙撃銃。

それが分解したまま部品が散らばっている。

ちょうどメンテナンスの途中だったらしい。

ならちっとも退屈なんてしていなかった筈なのに。