廊下の方から


誰かが走ってくる音がした



どっかで聞いたことのある足音…




蓮だ!






「亜樹!違うんだ」


「どうせ私は可愛くないよ。
  優先輩とはお似合いだと思うよ」



ちょっとムキになった口調で蓮に言った。



「だから違うんだって!」


「何が違うの?蓮の事信じてたのに…
  最低!」


そのまま教室を飛び足して、


ずっと走っていった。



無我夢中で走った。



気付いたら、


蓮と付き合う前


蓮の事を見ていた

木の陰にいた。



何やってるの私、
馬鹿じゃないの?


悔しくて悔しくて

涙が止まらなくて


しゃがみ込んで
泣いた…