あたしはおそるおそる手を出した。


そこにコロンと彼から渡された指輪には、まだ彼の熱が残っていた。


『え、あの…いいんですか?』


自分から欲しいとは言ったけどまさかホントにくれるなんて…


『そっちならいいけどいらないなら返して』


意地悪そうな顔をしてあたしの手から指輪を取ろうとする。


『いります!』


グッと力をこめて指輪を握り締めた。


『大事にしてね』


それだけいうと彼はメンバーの元に帰っていった。