「じゃあ……なんでそんなところに?」




そんなにあたしは今にも飛び降りそうだったのだろうか。


また空を見始めて何も言わなくなったあたしの後ろにゆっくりと近寄ってくるのが気配でわかる。


わかっていながら、知らないふりをするあたしは藍色に広がる空に向かって息を吐いた。
ため息にも近かったと思う。




「……おーい」




男が少し呆れたように声をかけてきた。