そんなこんなでいつものように足をぶらぶらさせていたら男に話し掛けられたのだ。 いや、説得されていると言った方が正しいのかもしれないけれど。 「……あんた、何言ってんの?」 冷めた目で見れば、男は広げていた両手を恐る恐る下ろした。 「死のうとしてるんじゃ……」 「馬鹿じゃないの? あたしは死ぬ気なんてない」 男が慌てているのが馬鹿馬鹿しくて、鼻で笑う。