官憲が去って暫くすると、靴音が近づいてきた。


手代木が入っている牢の前に、目つきの鋭い官憲が立った。


くわえていたタバコを手に持った。


「手代木さんか。

いや、元京都見廻組頭佐々木さんと言ったほうがいいのかな」


手代木は自分の元の名を知っているのに驚いた。


「俺の昔の名前を知っているとは

お前は何者だ」