手代木が妹に怪我の手当てをしてもらっていると、水島が来た。


「手代木さん、傷の具合はどうですか」


手代木は着物を着なおしながら言った。


「こんなのかすり傷さ。

それにしても、土岐商会は記事にしたのか、どうなった」


「それが、社長に記事を見せたら、一時預かりになった。

土岐商会は武器類取締法違反とかで社長以下逮捕された。

ところで、まだ寺子屋やるのか?」


「私学の手続きをすればいいそうだ」


「それは、良かった。

それなら、いつでも葵さんに会える」