食事の回数からすると、手代木が牢に入ってから、三日経った。


看守の隙を狙って、鍵を奪い牢を抜けようとしていたが、なかなかその機会が無かった。


牢の出入り口が開き誰かが連れて来られた。


「とっとと歩け!」

手を後ろで縛られた男が入って来た。


手代木は彼を見た時、声を上げそうになった。


新聞記者の水島だった。


彼と目が合ったとき、彼も驚いた顔を一瞬したが、知らん顔して騒ぎ立てた。


彼は隣の牢に入れられた。