葵がお茶を持って来た。


水島が声をかけた。

「大丈夫ですか」


「ええ。

兄がお茶も出さないですいません」


「まだ、無理はするなよ」


葵は兄に促されて奥に行った。


「妹さんは何かの病気なんですか」


「医者の見立てでは、血の病らしい。

時々、調子が悪くなる。

ひどい時は一週間くらい寝込んでしまう。

西洋の医者に見せればいいが、なかなかこれが無くてね」


手代木は手でお金を作ってみせた。