手代木は木の陰に影山がいるのに気付いていた。


「影山君。

もういいだろう。

隠れてないで出てきたらいいんじゃないか」


大木の後ろから影山が手を打ちながら現れた。


「手代木さん。

試してすいませんでした。

それにしても見事ですね。

ぜんぜん腕は落ちていませんね」


「試したのか」


「ええ。

ここではなんなので、場所を変えて打ち合わせしましょう。
奥に庵がありますよ」