手代木は昨日の影山との裏の仕事を思い出した。


『いきなりか、早すぎるな』


と思った。


押し入れから、鍔に封印がある刀を出した。


葵がそれを見つけた。


「お兄さま。

刀をどうなさるのですか。

もう、人は殺さないと約束しではありませんか」


手代木は言った。


「お前のためだ」


妹はキッと睨んだ。

「私の病気は、不浄なお金で治して欲しくありません」


手代木は妹を置いて外に出た。


葵が半泣きの声で彼を呼んだ。


「お兄さま」