手代木は昨日まだ終わらなかった教室の片付けをしていた。


表から声がした。


出ていくと、人力車が止まっていた。


「なんだ。

車屋か。

呼んだ覚えはないぞ」


車夫は構わすに言った。


「手代木さん宅はこちらでよろしいんですか」


「そうだ。

何か」


「一緒に来ていただけませんか」


「どこにだ」


「影山と言えば分かると言われました。
あと、刀があれば持ってきてとも言われております」