「痩せてないし…」
ボソッと言ったつもりでも
「聞こえてますよ」
地獄耳の三浦には聞こえちゃうんだ。
「とにかく…。体調が悪くなったら
すぐ言ってくださいね??
すぐ対応いたしますので」
「うん……。」
毎日のように悪夢に襲われて
眠れなかった日々が続いていたあたし。
無駄に広い車の中で
あたしは深い眠りに就いた。
起きた時にはベッドの上。
誰かが運んでくれたのかな…。
睡眠不足は治っても
体調は悪くなっていくばかり。
とにかく医者で出された大量の薬を飲んで
カーディガンを羽織って
ベランダに出た。
雲ひとつない空に
星が輝いてる。
でもそれは…
あたしの心のように
寂しそうに光っているだけだった。

