次の日…
いよいよ瀬伊摩との闘いが始まる…。
気持ちは曇っているのに
空は雲1つない
快晴…。
最悪なパターンはもう考えない。
良い方向に転がるように
ただ自分の全力を出し切るだけ。
あたしは
自分の拳を思いっきり握り締めた。
なんとなく手が震えてる気がしたし
昨日高嗣に握られた右手が
とてつもなく、ジンジンする。
そしてある人に電話をする。
「お母さん…」
『どうしたの??』
「あたし…しばらく家に帰れなくなるかもしれない」
『誰かの家にお泊り??楽しんできて』
「……っ…うん。楽しんでくる」
『気をつけてね。あなたがいなくなったら
お母さん生きてる意味なくなるから』
「お母さんも体に気をつけて」
そう言って電話を切った。
喧嘩行く前に
あんなこと言わないでよお母さん…っ。
もう、帰れないかもしれないのに。
痛み出す胸を押さえながら
あたしはバイクにまたがり
「戦場」
へと向かいだした…。

