その日の夜。 私は、彼方が帰って来るのを待ったんだけど、なかなか帰ってこなくて、 そのかわりにメールが来た。 『奏、大丈夫?ごめんな。俺、婚約なんてしてないし、するつもりもないから。信じてくれ。騒ぎが落ち着くまで、俺は、系列の病院に行かないといけなくなった。すぐにおさまると思うから。体調悪くなったらすぐに連絡して。奏。大好きだよ』 やっぱり違うんだ。 よかった。 会えなくなるんだ。 寂しいな。