旦那様はドクター



「私は、この子を産みたい。この、小さな命をこの世に誕生させたいの」


彼方は、何も言わず、黙って私の話を聞いていた。


「でも、こればっかりは、もし、私が赤ちゃんを、産んで、天国に逝ってしまった時は、彼方に、育ててもらわないと困るの」


私は、泣きながら、彼方に言った。





「俺は、ひとりで育てるつもりはない。お前と…奏と、二人で育てたい。天国になんて逝かせない。俺が、絶対奏を助ける。だから、安心して産め!二人で頑張ろう」



私達は、抱き合いながら涙を流した。