「お前さ、もうちょっとは喜べよな」 「え?」 「全然嬉しそうじゃねぇし」 「あー…… びっくりしすぎて、ね」 だって嬉しくないし。 むしろ、最悪な気分。 「ふーん」 「あ、矢野はどの学部なの?」 「…………まじかお前」 「え、何よ」 疑われるのをごまかすのに、学部を聞いたのに矢野は深い溜め息を吐いた。 「教えない」 「は?」 「知りたかったら、自分で探せば?」 「…………あっそ」