思わず声が大きくなっちゃった。

だって、意識しちゃうじゃん!?

どーする!?

律と一緒の部屋で一晩とか!


「なにオレ相手にビビってんの」


ポンと、頭の上に律の手が乗った。

っていうか、私の心の中丸見え!?


「べつにっ!律のことキライじゃないからねっ!?そういうわけじゃないよ!?」

「うん?あぁ、うん」


急に話し出したから、一瞬なんのことか分かってなかったみたいだけど…

だって、律のこと好きだし誤解してほしくなかったんだもん。

妄想が先走り過ぎた?

でも…


「真面目な話していい?」

「うん、なに?」


律が首をかしげた。

もうすぐ付き合って2年にもなるけど、律には言ってなかったこと。


「私、手術したじゃん?」

「うん」

「胸のとこに傷があって…なんか、それがコンプレックスになってて、見られたくなくて…だから、そういう雰囲気になると避けちゃって…ごめんね?」


どういう風に言ったらいいのかわからなくて、律に伝わったかどうか不安。

恐る恐る律をチラ見。

目をシパシパさせながら私を見ていたけど、律はいつもの声で言った。


「だいじょうぶだよ」


なにが大丈夫なのか…

お互いに言葉足らず。

でも、なんか大丈夫らしい。


「柚希の身体のことが一番大事なんだから、気にしなくていいって」

「…ありがと。律ってなんでそんなに優しいのぉ??」

「さぁ、なんでだろうな」


律は一呼吸してから言う。


「柚希だからじゃない?」