試合終了後、試合をみていた老人に近づいた。

「1回戦突破おめでとう。」

老人はいつもの笑顔で草太に話しかけた。

「最初シュート打った時、あれ?って思ったけど、そういう事だったんだね!」
老人はコクりと頷いた。


このDBと書かれたスパイクの秘密は、フリーキックで絶大な効果を発揮するスパイクであった。



2回戦、3回戦、そして準決勝すらも勝ち上がることができた。
弱小サッカー部である加護中が勝つたび、奇跡だ!と言われた。


もちろん点を決めているのは草太のフリーキックだった。
20メートル、25メートル、時には32メートルのロングシュートも決めてみせた。
草太のフリーキックは黄金の右足と称されていた。



そして、決勝戦当日


「草太。主将として一言。」

円陣を組む中、中島が草太に話しを振った。

「…そうだな。みんな、ここまでよくがんばった。あと一勝。せっかく、ここまできたんだ。最後も勝って笑おう!いくぞ!」

「おぉ!」

チームメイトの士気も高まり、グラウンドに出た。

試合を見に来ていた老人が草太に話しかけた。