というわけで僕の竹内さんに対する恋心はどうやら叶うことはないようだ。

目の前の高橋は、はぁ、とため息をついた。
「おれらの恋は儚く散ったな」と言い笑った。
そうだな、と僕はうなづいた。

さよなら、僕の恋心。
そして竹内さんの話もおしまい。

すると、目の前の高橋が話し始めた。
「あのさ、奇妙な話つながりってわけじゃないんだけどさ」
高橋の表情がいつになく、まじだ。

「どうした?」

「なんか変な感じなんだけどさ、時々ふっと見えることがあるんだよね、ほんと時々なんだけどさ。見えるってのとはちょっと違うかな。」

つまりここでこの章の冒頭の話に戻るわけだ。冒頭を忘れた方は見返してくださればと思う。
前にも書いたように、僕はてっきり幽霊とかそういう話だと思っていた。
心霊体験とか、そういった類いの。
結果的にはあながち外れとも言えないが、正解とも言えないようなことだった。

ではここからは高橋自身のお話。