高校を卒業して、それぞれが入学の準備におわれ、もしくは入学までの休暇を楽しみ、あるいは暇をもて余していた、あの年の三月のあの日。
僕は暇をもて余しているグループの一員だった。
グループのリーダーであってもおかしくないくらいに退屈だった。
入学の支度も済んでいた。
だからといって友達と遊ぶという気にもならなかった。なぜだろう…ただなんとなく。
僕はその日週刊雑誌を立ち読みするためにコンビニへ行った。
そして目的を果たしていつもの缶コーヒーを買って店を出たところだった。
高橋に出会ったのはその時だ。
実は高校在学中、高橋は携帯電話を持っていなかった。
なにやらそれは家庭の方針で決まったことらしい。
携帯を持つとロクなことはない、と彼の父は高橋にそう言ったらしいが、たぶんそうなのだろう。
高橋の父親は役所に勤めていて、僕も数回会ったことはあるのだが、なるほど確かに厳しそうな人だった。
高橋が携帯電話を持っていないおかげで、僕と高橋の待ち合わせに支障をきたしたこともあった。
あれは…いやいや今はこの話ではない。
その日コンビニで会った高橋は僕に携帯電話を所持したことを伝えた。
所持…なんか堅苦しい響きだけど実際に高橋がそう言ったんだ。
えびくん!僕もとうとう携帯電話を所持したよ!と。
その時の僕は家からふらっとでてきたから携帯電話を所持していなかった。
それで高橋の携帯の番号を聞いてレシートの裏に書いたというわけだ。
ボールペンは高橋が持っていた。
書いた本人はそのレシートを卒業アルバムに挟んだまま、二年近くそれを忘れていたわけだ。
というのが高橋が話してくれたレシートの件についての真相だ。
僕は暇をもて余しているグループの一員だった。
グループのリーダーであってもおかしくないくらいに退屈だった。
入学の支度も済んでいた。
だからといって友達と遊ぶという気にもならなかった。なぜだろう…ただなんとなく。
僕はその日週刊雑誌を立ち読みするためにコンビニへ行った。
そして目的を果たしていつもの缶コーヒーを買って店を出たところだった。
高橋に出会ったのはその時だ。
実は高校在学中、高橋は携帯電話を持っていなかった。
なにやらそれは家庭の方針で決まったことらしい。
携帯を持つとロクなことはない、と彼の父は高橋にそう言ったらしいが、たぶんそうなのだろう。
高橋の父親は役所に勤めていて、僕も数回会ったことはあるのだが、なるほど確かに厳しそうな人だった。
高橋が携帯電話を持っていないおかげで、僕と高橋の待ち合わせに支障をきたしたこともあった。
あれは…いやいや今はこの話ではない。
その日コンビニで会った高橋は僕に携帯電話を所持したことを伝えた。
所持…なんか堅苦しい響きだけど実際に高橋がそう言ったんだ。
えびくん!僕もとうとう携帯電話を所持したよ!と。
その時の僕は家からふらっとでてきたから携帯電話を所持していなかった。
それで高橋の携帯の番号を聞いてレシートの裏に書いたというわけだ。
ボールペンは高橋が持っていた。
書いた本人はそのレシートを卒業アルバムに挟んだまま、二年近くそれを忘れていたわけだ。
というのが高橋が話してくれたレシートの件についての真相だ。
