「竹内さんって確か東京の私立大学に行ったんじゃないかな。フラれてからは何か気まずくてあまり喋らなくなったけど。」

高橋もか…僕もフラれてからは竹内さんとはなんとなくお互いに距離をおいていたような気がする。

「ところでさ、またどうして急に電話してきたんだい?卒業してから全く連絡くれなかったくせに。」

どことなく皮肉めいた口調で高橋はそう聞いてきた。
どうしてと言われると、卒業アルバムから出てきたレシートの裏面に書かれた番号が、誰のものだか分からなくて、気がついたらすでに発信ボタンを押していた…だけなのだが。

そこは正直に話した。
僕はどのタイミングで高橋の携帯番号をレシートの裏面に書き、それを卒業アルバムに挟んだのだろう?

それについては高橋がしっかり覚えていた。
さすがだ。
高橋は記憶力がいい。同じように勉強しなかった二人だが、高橋はわりかし偏差値の高い大学に入学した。

「それさ、卒業して一度コンビニで会ったことあったろ?そんときだよ!」