まだ夜は明けない
ここには暗闇だけ

闇がこの世の全てを
飲み込むように思えるから
わたしの存在までもが
嘘のように思えてしまう

わたしがいても、いなくても
ここにはしっかり
暗闇が居座っている

まだしばらくは
彼は腰を上げることはない

光と闇とが混ざり合う瞬間
わたしはそれがとても好きだ

存在するものと
存在しないもの

何もかもが混ざったような瞬間

コーヒーに溶けていく
ミルクの白い渦のように

さて、もうすぐ夜が明ける

そしてすべてが
朝日を浴びて輝く