「あいつ…今、どこで、何してるんだろう…?何で電話に出ないんだろう…?」

ミサキと彼が最後に電話したのは四日前だった。
その時、彼は頭痛と発熱がひどいと言っていた。
今から病院に行くから、戻ったらまた電話すると言った。

それから…もう三日が経った。
三日間連絡がとれなくなっている。

さすがに三日も経つとミサキの不安は限界に達しようとしていた。
不安の塊がミサキの中でどんどん大きくなり、その輪郭がよりはっきりとしてきた。

警察に相談した方がいいのかな…。

夏期休暇のため、ミサキはバイトのシフトを普段より多めに組んでもらっていた。
彼から連絡が来なくなってからも、きちんとシフト通りに勤務した。
もちろん勤務中でも彼の事が心配で、バイトに集中することはできなかった。

そのため、バイト先の居酒屋で、ミサキは普段ならあり得ないオーダーミスをしてしまった。

しかも、この三日間で三回も。

その事で店長にはこっぴどく叱られた。
まぁ…当たり前か。

ミサキは凹んでしまった。