ハッピーエンド

その先は、その先は………。





■■■





 駅に程近い場所に、そのラーメン屋はある。



ラーメン屋「浪漫堂」何を思ってそう名づけたのかは知らないが、オレンジ色のライトに照らされて、ペンキで描かれたやけに歯並びのいいお姉さんがラムネ片手に微笑んでいる。



ラーメン屋じゃないのかここは。別にいいけど。



正直、この看板が無ければ見逃してしまうくらいのこじんまりとした店だ。



 一見すると何のお店か分からない。



だから目に留まったとしても、入店するのにはだいぶ勇気が居かもしれない。



その店の常連か、中で誰かが待っていると言う場合を除いてはナチュラルにその木製の扉を押すことは不可能だろう。