ハッピーエンド

彼女のそんな可愛さを。



そして初めて僕は彼女への恋心を自覚したという訳だ。



それから彼女に少しでも近づくために、生徒会の一員になることを志願した。



自己紹介をして、誉君と呼んでもらえるようになった。



自己紹介を受けて、高梨先輩と呼ぶようになった。



彼女に近づいてみて、僕は本当に人間って話してみないと分からないものだということが良く分かった。



それ程に彼女は僕の思い描いていた彼女とは違う。



抜けているし天然だし、真面目な顔して真面目なことなんて何一つ考えていなかったり。



よく笑い、よく泣く。



その笑顔も泣き顔も全部好きだと思った。



美和子さん。



他の生徒会のメンバーはそう呼んでいたが、僕はいまだに美和子さんのことを本人の前では名前で呼べずに居る。