ハッピーエンド

僕は一瞬固まって、それから耐え切れずに一人で笑ってしまった。



だっておかしいだろう?



学校ではしっかりしてて、真面目で、何でも出来て、誰からも頼られるような彼女が、たった犬一匹どうにもならずに駆けていった。



彼女は本当は、全然しっかりとしていないのかもしれない。



僕は思った。



生徒会という名前が、僕にそう思わせていただけで。



彼女の何でも一生懸命にやるところが、僕にそう思わせていただけで。



本当は、生徒会の仕事も、高校生活も必死に努力してやっとやれている。



坂道を走り出したら自分一人じゃなかなか止まれないように、彼女は止まる事もできずに今も走り続けているんじゃないか?



苦労している姿を人には見せないだけで、彼女は僕と何も変わらない。