ハッピーエンド

丸くなって黒ずんでいたので、何だか分からなくて捨てたんだそうだ。



別に消しゴム一つで怒ったりはしない。



ただ僕の部屋は僕が掃除するからと何度もお願いしていたことを、母親には思い出してもらった。



出来れば二度と忘れないで欲しいとも言っておいた。



ほら、高校生には色々あるでしょ？



お互い気まずい雰囲気にはなりたくないし、それを期にうっかり僕が反抗期に入ってしまったら大変だしね。



消しゴムが無いことに気づいたのが、晩御飯を食べて、ちょっとのんびりして、さあ勉強でもするかと腰を上げたときのことだから、日はもうとっくに暮れていた。



明日の予習もあるし、勉強をしないという選択肢は、はなから僕の中には無い。



消しゴムくらい近くのコンビニで普通の値段で売っている。